カキナクルー

観た試合の感想なんかをテキトー勝手に書き殴ります

「正直しんどい」 2014 J1 第13節 セレッソ大阪vsベガルタ仙台

セレッソvs仙台録画観戦。セレッソのスタメンはGKジンヒョン、CBは山下が出場停止でゴイコと康太、SBは俺の酒本と丸橋の鉄板コンビ。ボランチは蛍と扇原、右サイドは久々のアーリアで左は拓実。2トップはもちろん我らが柿谷と6億円のディエゴ・フォルラン

ということは山東戦から続いた3-4-2-1はひとまず終了し、開幕戦から使い続けていた4-4-2に回帰。名古屋戦ではこのシステムの答えが見つかった気がしたけど、広州戦の大敗で自信を失ったか、それとももっと明確な意図があって戻したのか、試合を観てみなくちゃあ分からない。

4-4-2、しかも右にアーリアなんていい思い出は微塵もないけど、健勇が脱臼でいないのだから仕方ない。メンバーもおなじみのメンツ。30日の間に10試合もこなそうというのに、いつまで経っても楠神やミッチ、永井にスタメンの出番はやってこず、決まった選手が長時間のプレーを強いられてる。

試合はもちろんセレッソがボールを回して主導権を握る。握るんだけど、アタッキングサードでも攻撃がうまくいかずチャンスらしいチャンスが少ないのがポポ4-4-2の特徴。が、この日は特にひどかった。縦パスが長過ぎたり短過ぎたり、足元にボールが欲しいのにスペースに出したり、その逆も然り。

なんかパッと見、下手くそな人たちがサッカーをしているような、そう思えるぐらい息が合ってなかった。でも、フォルランをはじめセレッソの選手が下手くそなわけがない。ならなぜこんなにプレー精度が低いのかと考えたら、やはり思い当たるのはACLを中心とした過密日程だ。

Jリーグ開幕前から韓国でシーズンが始まり、ナビスコのように手は抜けず毎試合が決勝のようなACL、しかも長距離移動のオマケ付き。それでも厳しいGLを勝ち抜き気合十分臨んだ決勝Tでまさかの大敗、1-5。その間もJリーグは待ってくれず、GWを利用してミッドウィークに試合を組まれる。

ACLの日程を考慮してこの試合も開催時間の変更があったけど15時が16時になっただけ。まだお日様は十分高い。選手たちは汗だくだ。ただ、そんなの広島や川崎だっておんなじ。じゃあなぜセレッソだけもろに影響が出ているかというと、やはりポポがうまく戦えていないだけ、とそういうことになる。

ACLが過密日程だなんてことは始まる前から分かってる。だからセレッソはそれに備え、シーズン前からフォルランをはじめ長谷川、染谷、ミッチなど積極的な補強に努めた。その努力が実を結び、Jリーグ屈指の選手層を手に入れた。はずなのに、一向に有効活用される気配が見られない。

常に柿谷、フォルラン、蛍、長谷川らがスタメンで、楠神、ミッチ、永井はベンチ。途中交代もほとんどが後半30分以降。交代枠を使い切らないこともままある。「勝つために必要な選手だから」その言い分を認めはしても、コンディションを落とすハメになり、結果がついてこないのなら本末転倒だ。

試合はたまにフォルランの個人技で「おぉ」と思わせるチャンスがあるだけで、それもゴールには繋がらずスコアレスで折り返し。後半からはさらに疲労が顕著に表れ、何をやってもうまくいかず、フォルランが激昂する場面もチラホラ。開幕したての頃はよく見られたけど、最近はめっきり減っていたのに。

62分に南野に代えて楠神、73分にアーリアに代えてミッチを投入するものの効果は薄く。彼らだってコンディション管理不調の被害者だ。ろくにプレー時間を与えられていないのに、ただでさえ連携がうまくいってないチームに放り込まれてもできることは少ない。

それでもジンヒョン、康太ら守備陣が頑張ってくれたおかげで0-0のまま試合を進めることは出来たのだけど、83分カウンターからヨンギにジンヒョンの股を抜くシュートを決められて0-1。その2分後には柿谷もお役御免。反射的に反論したくはなるがこの日の出来を冷静に評価すればそれもやむなし。

しかし、昨季21点を取りチームを3位に導いたゴールゲッターが退いてなにか代わりとなる策があるわけはなく、結局そのまま試合は終了。セレッソは今季4敗目を喫してしまった。

ということで。 正直、この日ばかりは選手をみていて不憫な気持ちになった。コンディションがこんなに悪いことを嘆くのではなく、コンディションがこんなになるまでほったらかされたその環境のことを嘆くべきだろう。ポポの戦術的な手腕はさておき、選手の体調管理の拙さは絶望的なものがある。

これほどまで不出来な我がとこのチームのプレーをみて、さぁポポは3日後のアウェイの広州戦でどのような戦い方を見せるのか。そのさらに3日後には浦和との対戦も控えている。

どちらの試合もベストメンバーで臨む。それも確かにプロの選択肢なのかもしれないが、果たして今のメンバーが本当にベストメンバーと言えるのか。この試合を観てさぞ疑念を抱いたに違いない。柿谷や蛍、フォルランを日本に置いておくのも手。それもまたプロの判断だし、1-5は諦めてもいいスコアだ。

これまでJリーグ12試合を消化して綺麗に4勝4分4敗。ちなみにACLのGLでも2勝2分2敗だ。これまで6勝しているわけだけど、4勝がアウェイ。すなわちホームではまだ2勝しかしていない。そして6敗中4敗がホーム。ホームサポーターにちと手厳しい監督ランコ・ポポヴィッチ

今回の敗戦でするすると自分の首に手がかかりはじめているのを感じたかもしれない。そしてそれは気のせいでもないはずだ。これまでの失敗はACLをなめていたから。ACLが終わった中断明けからはセレッソは上り調子に。そんな未来が待ってる可能性は多いにあると思うし、あってほしいと願うけど。

でも、同時に最悪の未来も垣間見えてしまった、そんな気がした90分。降格圏甲府との勝ち点差はわずかに3だ。