カキナクルー

観た試合の感想なんかをテキトー勝手に書き殴ります

弱さを認める強さ

 物議を呼ぶ結末から少し経ち、徐々に西野監督の下した決断の重さが分かってきた。ビハインドの状況で長谷部を入れると分かったとき、武藤に代えることは読めても、十数分に及ぶ談合のスイッチと読めた人はどれほどいただろう。読めなかった時点で、俺たちは西野監督の目線には立てていない。


 あの決断は要するに、日本がこのまま攻めるよりも、時間潰してコロンビアの勝ちを祈る方が決勝Tに進める可能性が高いと判断したということだ。自力よりも他力の方がまだ信じられる、と。それはつまり自らの弱さを認めているということ。その上で、一番確率が高いと考える方法を選んだということ。


  自分の弱さを認めるのは簡単なことじゃない。強がって攻める姿勢を貫く方が気持ちは楽だ。男だったらカッコもつけたい。逃げたら批判される。ブーイングも浴びる。ロシアに応援しにきてくれた人にも申し訳ない。でも、そんなことより大事なことが西野監督にはあった。決勝トーナメントに進出すること。


  大会2ヶ月前に降って湧いた代表監督就任。準備期間はないに等しい。ならば、多くは求めず、自分たちの実力を正直に把握して、一つでも前にすすむためにやれることはなんでもやる。あの談合も用意してあったプランの一つに違いない。1戦目とも2戦目とも違う、新たな西野監督の強さ。見事な敗戦でした。