カキナクルー

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イブラ様vsいぶし銀 【ユーロ16 グループE第1戦 スウェーデン対アイルランド】

さてさて。

 

死のグループE、スウェーデンアイルランド

もう2チームがイタリアとベルギーということを考えると、お互い1番ポイントが取りやすそうな相手だけに、負けだけはなんとか避けたい。

スウェーデンイブラヒモビッチ(以下イブラ様)を2トップの一角にした4-4-2。

前回大会はトップ下に君臨してたけど、ハムレーン監督はイブラ様の得点力を最大限に生かす形を選んだよう。
対するアイルランドも4-4-2。

同じフォーメーションだけど、スウェーデンの中盤がフラットなのに対し、アイルランドはダイヤモンド型。1990年代はよく見た形だけど、戦術研究が進んだ現代では希少な存在。オニールはどう生かしてくるか。

 

試合はアイルランドペースで進む。
左MFのヘンドリック、右MFのマッカーシーが攻撃時はワイドに開いてSBとの数的優位でサイドを崩し、守備の際はコンパクトにまとまり、アンカーの両脇のスペースをカバーする。フタを開けたらなんてことない、シンプルな形で相手に攻めかかった。
ビッグクラブでプレーするスター選手はいないけど、プレミアリーグでスタメンを張る実力者をそこそこいる。個人技で強固な守備を崩せるわけじゃないけれど、積極的なミドルシュートや堅実なクロスを数撃ってチャンスを生み出す。
平均年齢は29歳超で参加国中最高齢。フーラハン34歳、ウォルターズ32歳、ジョン・オシェイ35歳。スタメンじゃないけど、2002年日本を沸かせたロビーキーン35歳も10番背負ってまだまだ現役。戦いぶりも老練で、シンプルだからこそ守りにくい、渋いチームだ。

 

一方のスウェーデンは当然イブラ様中心のチームなんだけど、どう攻めたいのかイマイチよく分かんない。
左MFのラーションと右MFのフォシュベリは良い選手でサイドを突破するものの、そこから先がない。シュルストレームもうまいけど、それだけ。イブラ様の相方のベリはなにが武器なのかプレー見てても全然分からない。
特にこれといったチャンスはないものの、アイルランドの攻撃も守りきり、前半はスコアレスドローで折り返し。

しかし、後半開始直後のふわふわした時間を狙われた。
48分、右SBのコールマンにエリア内をズタズタに切り裂かれ、クロスを上げられると、その先にいたフーラハンに綺麗なボレーシュートを決められて、0-1。
あとがなくなったスウェーデンはとても分かりやすい策に出た。とにかくイブラ様に任せよう作戦。
イブラ様を最前線に置き、とにかくイブラ様にボールを運ぶシンプルな戦い方。
でも、これがすこぶる効くからおもしろい。イブラ様はエリア内でDFを背負ってももろともしない。相手を押さえつけてむりやり良いポジショニングをとる。前半はしなかったゴールの臭いが俄然しはじめた。
そして75分、エリア内を縦に走り抜けるイブラ様にグイデッティがスルーパス、これをイブラ様が折り返したら、アイルランドオウンゴールを誘って1-1。
その後も前半とは真逆でアイルランドを攻め立てるスウェーデンという構図が続いたものの、逆転することはできず。アイルランドと勝ち点1を分け合った。

 

ということで。
結局は窮地はイブラ様が救ってくれるのね、という結末。スウェーデンはなにも深く考える必要はなかった。この教訓をイタリアやベルギー相手でも生かせるか。特にファンタジスタという概念を失ったカルチョの国に、10番とはこうあるべきという姿を見せつけてやってほしい。
アイルランドは先制点以降、良い形を作れなかった。後半ロビーキーンを投入するものの、守備に走り回らされるだけで、見せ場なし。おそらく最後の国際大会。願わくはあのポーズをもう一度。