カキナクルー

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「妥協のベンゲル」 プレミア12-13 ガナーズvsエヴァートンながら観

ガナーズvsエヴァートンながら観。4連勝中のガナーズにとってあのスパーズ戦以来の強敵。お互いCL出場権がかかった負けられない一戦。ガナーズはウォルコットが怪我明け初のスタメン。あとこれまで好調だったファビアンスキが怪我をして、シュチェスニが先発。

ヴェルマーレンと共にあの敗戦以降責任を取らされたような形でベンチ生活が続いていたシュチェスニ。プレーはそう悪くなかっただけにこのチャンスは活かしたいところ。試合は両者勝利を狙って前がかりになるかと思いきや、落ち着いた立ち上がり。特にエヴァートンが殊の外後ろの方でどっしり構えてる。

ガナーズvsスパーズのようなどつきあいを期待したけれど、やっぱりあんな名勝負はそうそうお目にかかれない。アウェーで守りを重視してきたエヴァートンに対し、ガタイ負けして跳ね返され続けるガナーズ。あっちゃこっちゃで選手がひっくり返り、5分おきぐらいに足を押さえて倒れこんでいる。

まぁこれこそガナーズvsエヴァートンらしい展開なのか。ガナーズはボールはポゼッションするけれど、カウンターが怖いのか前に人数を割いてこないからチャンスはあまり多くない。しかも相手は中央を固めたエヴァートンなんだから、それはまぁ崩せない。

ただ後ろに人数をおいてるから相手のカウンターにも対応できる。シーズン終盤負けられない試合が続く中、ベンゲルベンゲルらしさは残しつつキッチリ現実的な戦いをしているということ。「失点をしたくない」というベンゲルとモイーズの強い意志がピッチ上に見事に反映し試合はスコアレスで折り返す。

後半に入っても流れは停滞したまま。ジルーやカソルラからは相変わらず一時期のような得点の匂いがしてこず、ウォルコットも今季こそは覚醒したと思ったのに、怪我から帰ってきたらあのしょっぱい頃に逆戻り。まぁこのソルト感は怪我の前から濃くなりつつあったけど。

ただ、両者ともに失点はしたくないから、この展開はアリっちゃアリ。でももらえるなら勝ち点3はもらいたいじゃない?ということでホームのベンゲルが徐々に欲を出し始める。後半24分、この日も大人しかったウィルシャーとウォルコットに代え週末途中出場で輝いたチェンバレン君とポドルスキを投入。

ノリッチ戦ではガナーズに欠けてた縦への突破で逆転の道を開いたチェンバレン君はこの日も積極的に前に出る。ただ最後で守りに入ってしまうのか、シュートチャンスでパスを選択したり。こういう消極的な姿勢はえてして実を結ばないもの。結局CL出場権を争う3位と6位の試合はスコアレスで終了した。

試合前は「CL出場はこの試合にかかってるから絶対に勝ちに行く」と気を吐いたというモイーズだが、終始そんな姿勢は一切見られず。こうなるとベンゲルを前におびき出すブラフだった可能性も。アッツアツの試合を期待していただけに、いささかというかむちゃくちゃ物足りない90分だった。

ベンゲルとしては4連勝は止まったけれど負けなかったし、これもベンゲル力の一端なんだろう。これでスパーズより1試合消化数が多く勝ち点2のリード、数字的にはまくられる可能性が出てきたが、スパーズは週末シティだし、チェルシー戦もあるしで、まだちょっとだけ有利くさい。

そういうところも踏まえてこの日はある意味妥協したのかも。CL出場権を獲得すれば夏の補強費もたっぷりもらえるという話もあちこちから聞こえてきて、14年連続出場という記録を止めないためにも何が何でも4位は確保しなければいけないベンゲル。ゴールは徐々にではあるが確実に近づいている。