カキナクルー

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「勝てないけど負けない強さ」 リーグアン12-13 サンテティエンヌvsPSGながら観

サンテティエンヌvsPSGながら観。ヴェッラッティもモッタもルーカスもメネズも怪我で満身創痍のPSGはとうとうベッカムがスタメン。試合は立ち上がりピリッとしないサンテティエンヌの隙をPSGがつく形。10分、DFがクリアをまごつく間にパストーレがかっさらい、そのままゴールで1-0。

10分後にはラベッシの突破をGKが倒してしまいPK。もちろんキッカーはイブラ様。一度目はやり直しを食らうものの2度目も難なく決めてみせた。何が凄いってその集中力。普段はモチベの低いプレーも珍しくないがPKの時は目が変わる。2010年9月以降PKを外したことがない男はやっぱり違う。

このゴールで楽勝ムード、とはいかないから今のPSGは厄介だ。サンテティエンヌは地味に4位でガボン出身のオバメヤンとブランドンを中心とした高い攻撃力が武器のチーム。立ち上がりこそつまづいたが、基本ポゼッションをプレゼントしてくれるPSGにも助けられ徐々に本来の勢いを取り戻していく。

37分にはオバメヤンのクロスをブランドンが競り、これがアレックスの足に当たって2-1。これでPSGは公式戦4連続失点。一時期は8試合連続完封で仏新記録も成し遂げたが、どうも最近は集中力を欠いたポカが多い。チアゴシウバが戻ってきてから失点が増している気がするのは気のせいだろうか。

なんとか追加点を奪いたいPSGだが、調子の上がったサンテを前に沈黙が続く。基本このチームの弱点は機動力のなさ。サイドにはパサータイプのシャントームとパストーレ、ボランチにはあのベッカムだ、イブラ様も気の向いた時にしかスイッチを入れてくれないし、走れる選手といえばラベッシぐらい。

せっかくチアゴやベッカムがイブラ様にいいボールをお届けしても、押し上がってこないんだからどうしようもない。どこか投げやりなイブラ様のプレーも何となくは理解できる。それでもこれまで守備の強さで勝ってきたPSGだが相手は攻撃力が自慢のサンテ、クレルクに正確なシュートを打たれて2-2。

追いつかれたが怪我人ばかりでガメイロを入れるぐらいしか出来ないアンチェロッティベッカムも90分は心配だがここでロングボールの供給源を減らすわけにもいかない。中盤が変わったわけではないので、その後も押し込まれる展開は変わらず、PSGはベッカムのフィードでなんとか突破口を模索する。

87分にはいい位置でFKを得ることも出来た。普段ならここもイブラ様の出番だが、今日はもうお休みモードなのかあっさりベッカムに譲る。こうして訪れたベッカムの直接FKのチャンス。久々に見るキックフォームは相変わらず美しく、これが再び拝めただけでもこれまで生きてきた甲斐があった。

残念ながらキックはポスト横に逸れたものの、鋭さとスワーブのエグさは昔のまま。ロスタイムには再びFKのチャンスを得るもののこれは壁に当たってしまい惜しくも初ゴールならず。当のベッカムは壁に文句でもあったのか審判に物申したり試合後もサンテ選手と絡んだりと若干エキサイトしているご様子。

試合中にはラフなタックルもあったり、なんだかんだで90分間プレーしたりとまだまだ戦える姿を見せているベッカム。もうすっかりPSGの選手になったと言えるだろう。それでもやっぱり動きは少ないと思うけど。ただ、中盤からの攻撃参加はモッタやヴェッラッティも出来てない動きではある。

これはアンチェロッティの指示なのか。前線の4枚だけで繰り広げられる攻撃はまぁ迫力がない。それでもイブラ様が本気を出してくれれば違うんだけど、ムラっ気は変わりそうにないし。試合はそのままドロー。2位のリヨンが敗れていたため突き放すチャンスだったが、結局差は1しか広がらなかった。

シーズン序盤は4-3-3で好スタートを切り、中盤落ち込んで4-4-2に変えて調子を取り戻し、再びまた落ち込みを見せている。ここでまた4-3-3に戻すのも手だとけど。何よりあの頃はイブラ様が一番輝いてた。国内リーグはここ5試合で2勝2敗1分。決断の時は地味に近づいてるかもしれない。