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カキナクルー

観た試合の感想なんかをテキトー勝手に書き殴ります

欧州サッカー16-17放映権について

つぶやいたことまとめました。

8/7現在、自分で調べたこと。内容については不確定なこともあるので悪しからず。

 

そろそろ欧州サッカー始まるなぁ、と思って放送予定調べてみたけど、Jスポーツのプレミアライブ中継が毎週2試合に減らされてるから驚いた。レスターとガナーズ対リバポーが生放送で、イブラ様のユナイテッドやペップのシティ、コンテのチェルシーは録画放送。「もう日本ではプレミアを生で追っかけられへんの!?」と思って調べてみたら、スマホスポナビライブで全試合ライブ配信をやるらしい。

料金は月額3000円やけど、ソフトバンクユーザーは500円に。しかも、プレミアだけじゃなくリーガも全試合ライブ。「ほなこっちやん!」と思ったけど、同時に「じゃあWOWOWは!?」と思ってHP行ってみたら16-17シーズンの放送のことはどこにも書いてない。ただ、まだ詰めてる段階のようで、放送できないと決まったわけじゃない。というか、おそらく放送することにはなるんだろうけど、懸念はプレミアと同じく試合数。バルサ、マドリー、アトレティコはもちろん、清武のセビージャとか乾のエイバルとか需要の高い試合を放映しきれるか。

 

スポナビライブとかスマホでの視聴で裾野が広がるのはええことやと思ってたけど、そのせいでテレビ視聴の機会が制限されるというなら話が違ってくる。

毎月安くない金を払ってるファンは、そらできるなら世界最高峰のプレーは大きい画面で見てみたいはず。そこをテレビとスマホで食いあわれたらたまったもんじゃない。

 

スポナビライブのダメなとこはソフトバンク回線と契約した端末でしか観られへんこと。

タブレットやパソコンで観れるならええかと思ってたけど、それはどうも無理らしい。

スポナビライブだけならそんなもんかと思うかもしれないけど、今夏日本に参入してくるDAZNと比べてみたらタチの悪さに気づく。

 

DAZNはJリーグと2100億円の契約を結んだパフォーム社が提供予定のサービス。今季はブンデスとセリエの放送を予定してるらしいけど、契約すればネットにつながったパソコンやテレビでも観れるようになる。

普通に考えたらこっちのサービスが当たり前。携帯でしか観れない方がおかしい。

大金払って囲ったプレミアとリーガの放映権を使って、最大限携帯の端末契約数を増やそうとしたソフトバンクに、従来の欧州サッカーファンの満足度が下げられた構図。でも、プレミアの好きなチームの試合を生で見たけりゃそんなクズ会社と契約せざるを得ない構図。

クズやな、ほんま。ほんまきらい。大きらい。

 

放映権の話は心がざわざわするから嫌だ。

安住の地を踏み荒らされるような。こんな気持ち、WOWOWのリーガ放映権問題以来。

DAZNについても、Jリーグのテレビ放映との兼ね合いでこれからごたつくだろうし、まだ当分このざわつきは収まらないだろう。

でもファンは結局マネーゲームの結末を見届けるしかなくて、いくら文句を言っても受け流されるだけ。あの頃とは違って大人になった今、利益のために動かなくちゃいけない事情も理解できるようにはなったけども、ね。

ただひとつ言いたいのは、ベランダにアンテナつけてまでサッカーみる大人は、満足できるサービスには喜んで金は出す。

 

 

ユーロで談合 【ユーロ16 グループA第2戦 スイス対ルーマニア】

さてさて。

 

アルバニアをなんとか下したスイスと、フランスに健闘するの最後の最後でパイェに全部持ってかれたルーマニア

スイスは第1戦とほぼメンバー変わらず。

内容もほぼ変わらず。豊富なタレント力でチャンスを作るも、セフェロビッチがシュートを外すという展開。シュートへ持ってくまでの技術は1級品、シュート精度は3級品という選手はどう評価すりゃいいんだろう。

 

フランスに負けて後がなくなったルーマニアはメンバーを大幅入れ替え。

でも内容はほぼ変わらず。フランス戦と同様PKゲット。フランス戦と同様スタンクが決めて先制。前半18分と早い段階でリードを奪う。スイスは追い詰められたものの、元々ルーマニアが受けの姿勢なので、流れは変わらなかった。

 

チャンスの多さは6:4ぐらいでスイス。

ルーマニアにも惜しいチャンスがあっただけに追加点入れれてれば、楽に戦えたろうけど、さすがに90分スイスの猛攻を耐えるだけの力はない。57分、コーナーキックのこぼれ球をメフメディが思いっきり蹴り込んで同点。

その後は両チームとも決め手を欠く展開。

64分にはセフェロビッチに代わってエンボロが出場。バーゼルではスゴイことをやってただけに、この日も期待したけど、まだ立ち位置が掴めてなくて、何がしたいか分かんないしパスもこない。なるほど、いくらシュートが下手でもセフェロビッチが選ばれるわけだ

 

ということでm結局そのまま試合は終了。

ルーマニアアルバニアに勝てば勝ち点4、スイスはフランスに負けても勝ち点4。今大会は3位でも決勝T進出がありえるから、終盤はそれを見据えた上での談合のような展開だった。参加国増のデメリットがここにも?今日、勝ちに行かなかったことを後悔しなければいいけども

 

ウイングだけで生きる 【ユーロ16 グループF第1戦 ポルトガル対アイスランド】

さてさて。

 

大会は5日目、第1戦のラストはポルトガルアイスランド
ポルトガルのフォーメーションは4-4-2で、2トップはナニとロナウド
ポルトガルといえば、大きな大会があるたびに、ヌーノ・ゴメスウーゴ・アルメイダなど、豊富なウイングと釣り合う9番がいないと嘆かれてきたけど、2016年「9番なんていらないんじゃね?」とウイング2人で2トップを形成するという結論にたどり着いた。その成果やいかに。
その下の中盤はダイヤモンド型で、トップ下は不動のモウチーニョだけど、右MFは23歳のジョアン・マリオ、左MFは22歳のアンドレ・ゴメス、アンカーは24歳のダニーロと、ベテランと若手を融合したチーム。


アイスランドも布陣は4-4-2。
W杯を含めて大きな大会は今回が初出場。北アイルランドのように、予選グループのライバルに恵まれたわけじゃなく、チェコ、トルコ、オランダといった実力国揃いのグループに入れられての堂々の2位通過だ。
ものの本によると堅守速攻が武器だそうで。著名な選手はグジョンセンシグルズソンぐらいだけど、他の選手も結構ドイツやフランスの1部チームに所属してて、ベテランも多く、やりにくい相手かもしれない。

 

試合は、初の大舞台にテンションが高いアイスランドがしょっぱなから全力。前線から積極的にプレッシャーをかけ、コンパクトにまとまった4-4-2の3本の守備ラインでボールを絡め取り、シグルズソンと左MFのビョルナソンの個人技でゴールを狙う。アイスランドの圧に押され、ポルトガルは困惑ぎみな立ち上がり。
それでも、さすがのポルトガルは持ち前の個人技でボールをキープし、自分たちの時間を取り戻していった。落ち着けばかわせない相手じゃない、と気づいたポルトガル。前線を構成する4人のウイングが頻繁にポジションを変え、アイスランドを幻惑する。特にアンドレ・ゴメスの動きが効いていて、好き勝手動くロナウドのスペースをうまく埋めたり、活用していた。王様がいるチームで居場所を確保するには必要な能力だ。頭も良さそう。
そして31分、右SBのヴィエリーニャがサイドを突破し、アンドレ・ゴメス、ナニとつないで、ゴールゲット。個人技とコンビネーションで相手の守備を崩した完璧な攻撃だった。。

 

力の差を見せつけられたアイスランドは一気に失速。
チェイシングにも勢いがなくなり、カウンターも単発。ポルトガルの攻撃を受けるだけの時間帯が続き、一方的な試合になってしまいそうな雰囲気が漂う。

でも、そう単純には終わらないのがユーロ。
後半5分、アイスランドの右サイドからのなんてことないクロス、カウンターでもないし簡単に弾き返されると思いきや、ビョルナソンがなぜかどフリー。これを落ち着いて決めてアイスランドがなんと追いついた。
あっさり点を取れたことで「あれ、俺たちやっぱりやれんじゃね?」と急に自信を取り戻したアイスランド。サッカー選手は現金なもので、勝ち点が現実味を帯びてくると、自然と運動量も復活、序盤のような積極的な守備を見せるようになった。
こうなるとポルトガルはやりにくい。71分にはモウチーニョに変えてバイヤン移籍が決まった18歳のレナトサンチェスを投入。前線5人をウイングで埋めるという振り切った策にも出た。トップ下の選手なのかと思ったけれども、そうではなさそう。かといって若さ丸出しで縦に突破することだけを考えてるわけじゃなく、周りを見渡しパスも出せる。

75分にはカレスマも登場して、ポルトガルは維持の怒涛の攻め、それでも、アイスランドの堅守を崩すまでには至らなかった。

 

ということで。
グループFの大本命ポルトガルアイスランド相手に勝ち点1というサプライズ。

サッカーは1プレーで流れが変わるということを教えてくれた試合。
ポルトガルは世界最高の選手の1人ロナウドを擁しながら、ここ最近の大きな大会ではろくな結果が残せてないけど、「9番を諦める」という道を選んだ今回は、上にいけそうな予感を感じた。だからこそ、勝ち切れなかったのは痛いけど、この試合はアイスランドの健闘をたたえよう。
アイスランドは先制されてからの落ち込みッぷりが不安だけど、序盤の集中力を保った堅守を維持出来れば、グループ突破もありえそうなグッドチームだった。個人的にはグジョンセンを見せていただきたい。

 

 

 

カテナチオは滅びない 【ユーロ16 グループE第1戦 イタリア対ベルギー】

さてさて。

 

死のグループE、イタリアとベルギーの本命対決。
イタリアはW杯では2大会連続でグループステージ敗退という憂き目にあってるけど、実はユーロ12では準優勝。バロテッリのあのわけのわからないポーズも今となっては懐かしい。
それから4年後、バロテッリカッサーノもいなくなった。メンツを見渡してもユーベ以外のビッグクラブでプレーしている選手はおらず、とりわけ前線のタレント不足は深刻そう。
メンバーだけを見ればよっぽどベルギーの方が強豪国らしい。
アザールにデブライネ、ルカクにオリジ、フェルトンゲンクルトワと、パッと見、見てみたいのはこっちの国。期待されたブラジルW杯ではアルゼンチンに惜しくも敗れてベスト8だったけど、あれから2年、みんな各クラブで成長を遂げてきた。FIFAランクは2位。今回の目標はもちろん優勝。今や俺たちの方が格上なんすよ、とイタリアに引導を渡すような試合になりそうな予感さえするメンバー表。

 

でも、その通りにならないからサッカーは楽しい。
イタリアは3-1-4-2みたいなフォーメーション。
おなじみユーベの3バックに、デ・ロッシがアンカー、そのに前左からダルミアン、ジャッケリーニ、パローロ、カンドレーヴァと並んで前線はエデルとペッレの2トップ。
中盤の2人と2トップ1人がサイドに寄って数的優位を作る。そうしてベルギーを寄せといて逆サイド、もしくは裏を狙う。スペースにパスを出し、そこへキッチリ選手が走りこむ。一朝一夕では完成しない難易度の高いサッカー。さすがはコンテ。おもしろいチームを作り上げてきた。

 

一方のベルギーは超オーソドックス。
ダブルボランチの4-5-1で、選手を1番得意なポジションに配置。そしてピッチに送り出して「ハイ、戦ってくださいね」みたいなサッカー。チームとして連動する動きがあるわけでなく、パスはほとんど足元狙い。崩しは個人技頼みで、ボール回しも単調。自分たちせ動いていくわけじゃなく、スローペース狙いのイタリアに付き合って、凪のような時間が流れる前半。いやいや、ヴィルモッツさん、こういうサッカーがみたいわけじゃないんですけど。

で、主体性を持たぬままずるずる時間を進めた31分、ボヌッチが裏へ抜け出したジャッケリーニにロングパス。これをキレイにトラップしてゴール右隅に流し込み、イタリアがあっさり先制。コンテのシナリオ通りの流れになった。

 

先制されても、どう点取りにいきたいのか分かってないベルギー
後半開始直後にはカウンターでチャンスを生み出すものの、ルカクブッフォンのプレッシャーを前にループシュートを浮かしてしまい同点ならず。メルテンスを投入してからは、スピード感のあるドリブルで左サイドを崩しだし、得点の臭いがし始めた。イタリアも前半のような勢いはない。ベルギーの意地の猛攻が続いた。
それでも点は入らない。
ルカクが、代わって入ったオリジが、フェライニがエリア内で競り合うものの、ことごとくユーベ3人衆に押さえられ、なんとかシュートを放っても、その先にはジャンルイジ・ブッフォン。デブライネやアザールがエリアの外からゴールを狙うも、厚い壁に跳ね返される。忘れちゃいけない。イタリアはカテナチオの国。ブラジルでは微塵もその片鱗を見せてはくれなかったけど、わずか2年でコンテが「カテナチオは滅びぬ。何度でも蘇るさ」と言わんばかりに復活させてくれた。

 

ということで。
その後もイタリアは集中力を切らさず、試合終了間際にはカウンターからペッレが追加点を決めて勝負あり。勝ち点3をものにした。
正直、運が味方した部分もあると思う。それほど最後のベルギーの攻撃は激しかった。それでも結果は失点ゼロ。諸々含めてカテナチオということなんだろう。
ベルギーは後半に選手交代で改善がみられたことから、問題は人選のような気がする。
深い戦術は用いてなさそうだから、出来の良し悪しを左右するのは個人の技とコンディション。
正直言ってルカクはなにも出来てなかった。動きも少ないし、シュート感覚にも乏しい。じゃあオリジが良かったか、というとそうでもないんだけど、機動力がある分、こっちの方が可能性はありそう。ベンテケも含めて1トップの人選には再考の余地あり。
左サイドもアザールより、メルテンスの方が縦への突破の意識がハッキリしてよかった。アザールはトップ下に入ってからアイデアを生かせるようになって、らしさが出た。
そんな具合に、「正解」が見つかれば最初から良いサッカーが見られる予感。欲を言えば、コンテのようなチームに戦術を与えられる名将の下で創り上げられたチームが見たかったけど、大会が始まってからいってもしょうがない。
ロシアではそうなるよう祈りつつ。

 

 

イブラ様vsいぶし銀 【ユーロ16 グループE第1戦 スウェーデン対アイルランド】

さてさて。

 

死のグループE、スウェーデンアイルランド

もう2チームがイタリアとベルギーということを考えると、お互い1番ポイントが取りやすそうな相手だけに、負けだけはなんとか避けたい。

スウェーデンイブラヒモビッチ(以下イブラ様)を2トップの一角にした4-4-2。

前回大会はトップ下に君臨してたけど、ハムレーン監督はイブラ様の得点力を最大限に生かす形を選んだよう。
対するアイルランドも4-4-2。

同じフォーメーションだけど、スウェーデンの中盤がフラットなのに対し、アイルランドはダイヤモンド型。1990年代はよく見た形だけど、戦術研究が進んだ現代では希少な存在。オニールはどう生かしてくるか。

 

試合はアイルランドペースで進む。
左MFのヘンドリック、右MFのマッカーシーが攻撃時はワイドに開いてSBとの数的優位でサイドを崩し、守備の際はコンパクトにまとまり、アンカーの両脇のスペースをカバーする。フタを開けたらなんてことない、シンプルな形で相手に攻めかかった。
ビッグクラブでプレーするスター選手はいないけど、プレミアリーグでスタメンを張る実力者をそこそこいる。個人技で強固な守備を崩せるわけじゃないけれど、積極的なミドルシュートや堅実なクロスを数撃ってチャンスを生み出す。
平均年齢は29歳超で参加国中最高齢。フーラハン34歳、ウォルターズ32歳、ジョン・オシェイ35歳。スタメンじゃないけど、2002年日本を沸かせたロビーキーン35歳も10番背負ってまだまだ現役。戦いぶりも老練で、シンプルだからこそ守りにくい、渋いチームだ。

 

一方のスウェーデンは当然イブラ様中心のチームなんだけど、どう攻めたいのかイマイチよく分かんない。
左MFのラーションと右MFのフォシュベリは良い選手でサイドを突破するものの、そこから先がない。シュルストレームもうまいけど、それだけ。イブラ様の相方のベリはなにが武器なのかプレー見てても全然分からない。
特にこれといったチャンスはないものの、アイルランドの攻撃も守りきり、前半はスコアレスドローで折り返し。

しかし、後半開始直後のふわふわした時間を狙われた。
48分、右SBのコールマンにエリア内をズタズタに切り裂かれ、クロスを上げられると、その先にいたフーラハンに綺麗なボレーシュートを決められて、0-1。
あとがなくなったスウェーデンはとても分かりやすい策に出た。とにかくイブラ様に任せよう作戦。
イブラ様を最前線に置き、とにかくイブラ様にボールを運ぶシンプルな戦い方。
でも、これがすこぶる効くからおもしろい。イブラ様はエリア内でDFを背負ってももろともしない。相手を押さえつけてむりやり良いポジショニングをとる。前半はしなかったゴールの臭いが俄然しはじめた。
そして75分、エリア内を縦に走り抜けるイブラ様にグイデッティがスルーパス、これをイブラ様が折り返したら、アイルランドオウンゴールを誘って1-1。
その後も前半とは真逆でアイルランドを攻め立てるスウェーデンという構図が続いたものの、逆転することはできず。アイルランドと勝ち点1を分け合った。

 

ということで。
結局は窮地はイブラ様が救ってくれるのね、という結末。スウェーデンはなにも深く考える必要はなかった。この教訓をイタリアやベルギー相手でも生かせるか。特にファンタジスタという概念を失ったカルチョの国に、10番とはこうあるべきという姿を見せつけてやってほしい。
アイルランドは先制点以降、良い形を作れなかった。後半ロビーキーンを投入するものの、守備に走り回らされるだけで、見せ場なし。おそらく最後の国際大会。願わくはあのポーズをもう一度。

 

 

 

 

 

 

ベテランと若手の融合 【ユーロ16 グループC第1戦 ポーランド対北アイルランド】

さてさて。

 

グループC、ポーランド北アイルランドの一戦。
ポーランドは名前だけ見てもピンとこないけど、メンツを見てみるとレバンドフスキブワシュチコフスキ、クリホビアクなどなど海外で活躍するタレントだらけ。ユーロには08年大会に初出場、12年は開催国、今回で3大会連続の出場になるけど、まだ1勝も出来てない。
一方の北アイルランドは今大会が初出場。開催国増加の恩恵を受けたように見えがちだけど、予選グループは首位通過で出場権を勝ち取った。
原動力は固い守備。5バックは当然のこと、中盤にも4人置いてガッチリ守る。同じ英国のウェールズも5バックで守ってたけど、向こうにはベイルとラムジーがいて、こちらにはそんな豪華なタレントはいない。だから前線にはファティフ1人を残して、9人で守りきる覚悟を決めたチームだ。

 

当然、試合はポーランドが押し込む展開。
右のブワシュチコフスキと左のカプストカがサイドをゴリゴリに崩して、エリア内ではレヴァンドフスキがクサビに、トップ下のミリクは積極的にシュートを撃ってってと、一方的に攻め立てる。
でも、そんなのは北アイルランドだって百も承知。質よりも量の守りでポーランドの猛攻に対応。なんとか前半は0-0でしのぎきった。
後半、北アイルランドは左MFのマクネアを下げより攻撃的なウイングタイプのダラスを投入。前半はチャンスが皆無だっただけに、さすがにオニールも手を打ってきた。
しかし、色気を出した北アイルランドの隙をポーランドは見逃さないー。
51分、ブワシュチコフスキが右サイドを突破して中に折り返し、エリア内に入ってきたミリクが落ち着いてコースを狙って、1-0。


堅守を崩された北アイルランド

でも、リードされたからって急に攻撃的に出る術なんてもってない。中盤を1枚減らし、前線に1枚入れるも特効薬とはならず、ポーランドの攻撃に耐える展開が続く。
しかし、北アイルランドは全くの無策というわけではなかった。
87分、フリーキックのチャンス、得意の空中戦で勝負するかと思いきや、グラウンダーで速いボールを入れるトリックプレー。これまで温めに温めておいた奇策。虚をつかれたポーランドディフェンスは抜け出したデイビスを捉えられない。足を伸ばして届けばゴール!というこの試合最大のチャンスは、惜しくも足をかすめるだけで、ボールはラインを割ってしまった。

 

ということで。
下馬評どおりにポーランドがユーロ初勝利。
北アイルランドはよく守ったけど、攻撃のアイデアがあまりにもなさすぎた。これでどうやって予選を首位通過したんだろうと思ったけど、実はグループにはルーマニアギリシャハンガリーと強豪がいなくて、組み合わせに大分恵まれていたり。それでも6勝3分1敗の結果は見事だけど、残念ながらその片鱗はこの試合では見られなかった。
一方のポーランドは予想以上に好チーム。
レヴァンドフスキブワシュチコフスキはもちろんだけど、この日初めて見たトップ下のミリクと左MFのカプストカもかなりの選手。
ミリクはアヤックス所属の22歳。まだ若いけど落ちついてて、ガンガンエリア内に入ってシュートを放つ。
カプストカは国内のクラコビアってクラブに所属するピッチピチの19歳。ブワシュチコフスキに負けず劣らずドリブルがうまくて、カットインしてゴールも狙える。リオもツイッターでベタ褒めだったし、おそらく今日の試合で「見つかっちゃった」に違いない。
ベテランと若手、両方に脂が乗ってて融合してる。バランスでいうと中堅国では今まで見た中で1番のチーム。
ポーランドに限らず、今回のユーロは22歳以下の若い選手でおもしろい選手が多い。グループリーグが1周したら、まとめてみよう。

 

 

 

優等生と変なやつ 【ユーロ16 グループD第1戦 クロアチア対トルコ】

さてさて。

 

死のグループDの第1戦、クロアチア対トルコ。
バルサラキティッチにマドリーのモドリッチコバチッチ。ユーベのマンジュキッチインテルペリシッチ、ブロゾビッチとイタリアなんかよりよっぽど豊富なタレントを誇るクロアチア
なのに、国際大会では良い結果を残せない。主力はほぼ変わってないのに前回大会もブラジルでもグループステージ敗退だ。気づけばモドリッチももう30歳!ここらへんでなんとか優勝カップに手をかけておきたいところ。

対するトルコは2大会ぶりの参戦。
8年前はチェコ相手に2点差をひっくり返したり、クロアチア相手に延長戦ロスタイムでおいつきPK戦で勝利したり、ミラクルトルコ旋風で大会を蹂躙、ベスト4まで上り詰めた。監督も当時と変わらないファティフ・テリム。試合内容はイマイチなんだけど、終わってみたらなぜか勝ってるというテリムマジックは今大会でも拝めるか。

 

試合はクロアチアが圧倒。
モドリッチとバテリが相手のプレスをかわしてボールをさばき、ペリシッチとブロゾビッチのインテルサイドハーフコンビがサイドを崩してクロスを上げて、マンジュキッチラキティッチがつっこむという教科書に載ってるような優等生サッカーを披露。各選手の質が高いからシンプルなサッカーでも攻撃力十分。トルコの守備もゆるいし、いつゴールが生まれてもおかしくない展開。
でも、全然ゴールが入らない。
シュートはバカスカ撃つものの、ことごとく枠をそれるかバーに直撃。クロスの際はマンジュキッチが囮役となって、逆サイドのペリシッチ、ブロゾビッチが入ってくるパターンが多かったけど、この2人がとにかく点を取らない、取ってくれない。
しかし、そんなピンチも結局モドリッチが助けてくれる。
41分、セットプレーのこぼれ球、トルコの選手が高く蹴り上げてクリアしたボールを、右足でダイレクトドライブシュート。ボールはゴールネットに突き刺さってクロアチア先制。

さすがモドリッチ、役者が違う。ドライブシュートといえば昨日のベイルのFKもそうだった。CLを制覇してマドリーの選手はいい感じで大会に臨めているのかも。

 

しかし、トルコも黙っちゃいない。
後半開始からボルカン・シェンを投入。手元の名鑑によると「メンタルにやや難あり」とあるけど、それも納得の相手を削りにいくダーティなプレーと破壊力のあるドリブルでクロアチアディフェンスを崩しはじめた。目立たなかったアルダやジェンクも早い時間帯に下げ、ユルマズとエムレ・モルを投入。このモルって選手は18歳と全選手の中で3番目に若いそうで、憧れはメッシ、ドルトムントへの移籍が決まってる新星だそう。メッシのプレーはビデオで研究するほどの勉強家らしく、ヒールでおしゃれなパスを出したり、なるほどその痕跡はチラホラうかがえ、実際この3人を原動力にトルコがクロアチアを押し始める。采配が効果的に働くのもテリムマジックの特徴のひとつだ。

 

ただ、クロアチアとしてはこの展開もよし。
前に出てくれる分、後ろにスペースが生まれるから、そこをついてカウンターを仕掛ければいいだけの話。でも、モドリッチ以外のシュートが入らない状況に変化はなく、何度もビッグチャンスを迎えるものの、不思議なぐらいゴールが奪えない。
突き放したくても突き放せない。背中にぴったりトルコがへばりついてるような不気味な展開。8年前はロスタイムに追いつかれてユーロベスト4を逃した。嫌な思い出が頭をよぎるが、今回は最後まで集中を崩さず。クロアチアがなんとか逃げ切り勝ち点3をゲットした。

 

ということで。
8年前のトルコの不思議なパワーを目の当たりにしているだけに最後まで何かが起こると思ってたけど、結局なにも起きなかった。でも、ここはなにも起こさせなかったクロアチアディフェンスに拍手を送るべきなんだろう。特にチョルルカは頭の流血、そしてメディカルスタッフの包帯の巻き方がヘタという不運にも負けずに90分戦い通した。闘志丸出しの頼れるCBがいるというのは日本代表サポーターとしてうらやましい限り。
攻撃陣が追加点を奪っていれば、もう少し早く休ませてあげれたのかもしれないけど。

あれだけ多くのチャンスを外したのはたまたまか、それとも選手のクオリティに難があるのか。内容も優等生すぎてちょっとおもしろさに欠ける印象。モドリッチを思い切ってトップ下にして、イマジネーションを存分に生かすのもおもしろいかも。

トルコは早くも勝ち点3を失って2位まででの通過は厳しくなった。
ただ、理屈を超えた不気味な強さはまだありそう。今大会はチーム数が増えて3位までに決勝トーナメント進出の可能性があるから、そこに滑り込んでその先で大番狂わせ、なんてことも期待してしまう。そのためにはチェコをなんとかしなきゃいけない。こちらも8年前にテリムマジックに痛い目にあった国。今大会はどうなるか。